クラウド会計ソフトシェアNo1、申告書形式の対応も最も多い
freeeは、Webブラウザから使えるクラウド会計ソフトではシェアNo.1の会計ソフトです。
経理の効率が50倍になるというコンセプトで、銀行のWeb口座や、クレジットカードからの自動同期や、複式簿記の知識がなくても簡単に経理ができる分かりやすいインターフェイスなどで、一躍有名になった会計ソフトです。人工知能を活用した自動仕訳も行ってくれます。
経理以外にも、クラウドの給与計算、クラウド請求書、モバイルアプリからの経理機能、マイナンバー管理、会社設立や開業に関する届出を簡単にできるシステムなど、会計ソフトと連携した様々な機能を、他社に先駆けてリリースしています。
拡張サービスの多くは、クラウド会計ソフトの中で一番最初にリリースしており、機能面では常にトップを走っています。
また、クラウド会計ソフト(個人事業向け)の中では、確定申告書第三表(株、FXでの申告に必要)、第四表(赤字の繰越のために必要)に唯一対応しており、セルフメディケーション税制、医療費控除新フォーマット、仮想通貨の確定申告にも対応。簡単な質問に答えていくだけで、専門知識がなくても申告書が作成できます。また、アプリでも会計処理ができ、税金の予測機能もついています。これらの申告書作成機能に関しては完全に頭一歩抜きん出ています。
さらに、唯一Windows・Macどちらでも電子申告ができるようになっています。
利用料金面では、基本的にクラウド会計ソフト郡の中では最低価格クラスに位置しており、金額面で割高ということはありません。チャットでのサポートも無償でついてきます。
特に、マイナンバー管理や請求書送付など、会計以外の複数の機能を利用する場合にはコストメリットが大きいでしょう。請求書もワンクリックで封筒で送付してくれるサービスを提供しており利用金額は業界最安値です。
意見が分かれるのがインターフェイスで、複式簿記に詳しくない人には非常に使いやすく評判になっている一方で、複式簿記に詳しい人には複式簿記の考えたかをそのまま当てはめにくく慣れが必要な点です。
総合的に判断すると、費用も抑えて複式簿記をマスターしていない人、申告書作成に関して一番機能が豊富なソフトを探している人におすすめの会計ソフトです。
freeeを実際に使ってみた感想
freeeにはネットバンキングやクレジットカードなどのデータを取り込んで仕訳を作成できるなど、いろいろ便利な機能があります。
たしかにそのあたりの機能は満足でした。
同期がエラーになるなどの口コミもありますが、私が触ってきた限りではありませんでした。
ふむふむ、データの取り込みはしっかりしているようですね。
次は手入力がスムーズにできるかどうか試してみましょう。
これは一件ずつ仕訳を入力する画面ですね。
一番悩みがちな科目を選ぶ赤枠のところを入力しようとすると、プルダウンでわかりやすいメニューが現れます。
そこで自分が選んだものをマウスでクリックすればOK!。
これなら初心者の人も安心です。
…ですがここで問題をひとつ発見しました。
親切設計がゆえに、大量に仕訳を入力するのには時間がかかるのです。
…そんなときのための「連続取引登録」?
なるほど、私のようにせっかちな人向けの機能というわけですね。
どれどれ…。
赤枠が入力をするエリアですね。
…カタカタ…
うーんさっきよりは早いですが…
正直私にはちょっと使いにくいですね。
こちらの取引も結局はマウス操作が必要な部分があるため、キーボードを無心でダダダダっと打ちまくることはできません。
freeeは基本的に、
- 取り込んだデータを自分で修正し、パターンを学習させる
- 学習したパターンは次回から自動的に処理される
- →作業時間の短縮
という流れで運用されています。
私のように手入力で1から10まですることを想定してないんですね。
連続取引登録や振替伝票などの機能を使うことで、いくらか手入力でも大丈夫なように対応しているということなのでしょうが…それでも私はちょっととっつきにくいなと感じました。
もちろんネットバンキングなどの口座連携はしっかりしていますので、毎月同じような取引が多い人なら一度学習させてしまえばとても楽になります。
手入力も月に数件くらいに抑えられれば、かなり便利に使うことはできると思いますよ。
freeeのメリットデメリット
freeeを実際に使ってみてのメリットデメリットです。
freeeのメリット
freeeを実際に使ってみて感じたメリットです。
- 複式簿記の難しさを感じさせない入力画面
- 売上レポートの表示・請求書発行サービスなどの付属機能も充実
- スマホアプリにも力を入れている
- 消費税の申告までできる(スタンダードプランのみ)
- アップデートが早い
freeeは会計初心者に特化しているため、簿記をまったく知らない人でも大丈夫なように設計されています。
ネットバンキングやクレジットカードのデータ取り込み~微調整して登録までの流れは、学習を積ませることでどんどん修正箇所が少なくなって自動化されます。
時間がかかる仕訳の入力部分を徹底的に省いているので、そういった面ではとてもラクですね。
売上レポートは数字を分析したい人には嬉しい機能です。
分析とまでいかなくても、自分の成績をグラフにしてなんとなく見ているだけでも楽しめますよ。
また、売上先に送る請求書もfreeeの中で作成できます。
その請求書の中に入力した金額が仕訳として登録できますので、二度手間にならないのも〇です。
freeeは今アプリにも力を入れています。
ブラウザ版と同じような操作はできませんが、簡単な入力ならできたり数字のレポートをいつでも見られるのは便利です。
「先月の売上金額を確認する」そのためだけにパソコンを立ち上げるのは面倒ですよね。
と書きましたが、私はアプリ版のfreeeを使ったことはありません(汗)
パソコン以外で使いたいと思ったシーンがまだないので…。
消費税の申告書も作れるのはポイントが高いですね。
こちらは一つランクが上のスタンダードプランのみの機能になるのがやや残念なポイントです。
売上が年間1000万円を超えて消費税を納める必要が出てきても、自分で申告書を作ることができます。
だいたい消費税を払うようになると税理士に頼むようになる事業主の人が多いのですが、freeeなら自分で計算して申告書を作ることもできます。
よくfreeeと比較されるマネーフォワードクラウドでは、消費税の集計はできても申告書の作成まではできません。
アップデートも本当に早いです。
ホーム画面のデザインが突然変わったりするので、久しぶりにログインするとちょっとびっくりします。
もちろんデザインだけでなく、機能の方もどんどん改良されていますよ!
私が使い始めた2年前と現在を比べると、かなりfreeeが使いやすくなっているのは事実です。
freeeのデメリット
こちらはfreeeを実際に使ってみて感じたデメリットです。
- 複式簿記や他の会計ソフト経験者には使いづらい入力方式
- サポート体制に難アリ?
freeeはとにかく独特です。
中途半端に会計の知識があると挫折します。私はしました。
税理士事務所の私の同僚たちも口をそろえて「使いづらい」と言っています(笑)
とにかく会計初心者向けに特化しているため、
会計ソフトってまあだいたいこんな感じだよね
というイメージをすでに持っている人は、使いこなすまでに時間がかかるかもしれません。
freeeのサポートは基本的にはチャットです。
が、たいていのことはヘルプやQ&Aに書いてありますので、自力で調べることも十分可能です。
ちなみに私はfreeeとfreeeを使うお客様の間に立つようなポジションでもあります。
お客様に代わって直接freeeに要望を伝えることもあるのですが、正直その対応に疑問が残ることもありました…。
私の体験談からはfreeeに懇切丁寧なサポート体制を求めてはいけない、とだけここでは書いておきます。
ソフト自体はすばらしいので、ヒジョーにもったいないポイントですね…。
freeeはこんな人に向いている!
この記事の重要ポイントはココです。
メリットデメリットをいろいろ書いてきましたが、私が思う「向いている人」はこんな人です。
あなたも当てはまるものがあったら、ぜひ使ってみてください!
- 簿記や会計の知識がなく、会計ソフトを初めて使う人
- ネットバンキングやクレジットカードの取引が多い人
- わからないことはある程度自分で調べてみようと思っている人
- 将来法人化も考えているなど長期で使うことを考えている人
あなたがもし上の条件にすべて当てはまれば、freeeはとても便利な会計ソフトです。
私も全力でfreeeをオススメします。
freeeは独特の会計ソフトですが、その会計システムにうまく乗ることができればとても快適に作業できます。
ほとんどの取引を自動化して、日々の会計業務の時間を大幅に減らすことができると思います。
そういった意味では、会計初心者の人に最も向いているソフトと言えますね。
長期で使う方がいいとしたのは、freeeに慣れると他の会計ソフトはかなり使いにくいと感じてしまうようになるためです。
将来もし税理士を付けるにしても、freeeを使うことができる税理士かどうかをよく確認しておきましょう。
freeeも対応可能な税理士を紹介するサービスをしているようなので、困ったら利用してみるのもいいですね。
そしてもしあなたが「税理士に依頼しよう!」と思ったときは、税理士の忙しい時期を外して相談に行ってみましょう。
早めに動いておけば、段取りよく確定申告に備えることができますよ。
記事のタイトルに「ややクセあり」と書きましたが、これは「freeeは使う人を選ぶ」ということです。
あなたがさっき見た条件にあてはまるものがほとんどない場合は、残念ですがfreeeは向いていません。
ただ「使いにくいソフト」と感じて時間もお金も無駄にしてしまう可能性すらあります。
会計ソフトはfreeeだけではないですからね。