保険料控除申告書の記入について

年末調整の書類の記入方法がわからない人必見!給与所得者の保険料控除申告書」の書き方をご紹介します。
記入するときに参考になる書き方のポイントと記入例をお届けします。

事前におさえておきたいポイント

保険料控除申告書の作成にあたっては、事前に以下の3点について確認しておきましょう。

•保険料控除申告書の提出対象者は、生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除を受ける方

•次に該当する方は保険料控除申告書の提出は不要

  • 生命保険に加入していない
  • 地震保険に加入していない
  • 勤務先から天引きされた社会保険料以外で、社会保険(国民年金、国民健康保険、健康保険・厚生年金保険など)に加入していない
  • 小規模企業共済、企業型DC(企業型確定拠出年金)、iDeCo(個人型確定拠出年金)、心身障害者扶養共済掛金に加入していない

•保険料控除申告書を提出する際は、保険料を納めたことを証明するための控除証明書(原本)を必ず添付する

「給与所得者の保険料控除申告書」の書き方

会社員や公務員の人は、10月から12月までの間に勤務先から年末調整の書類の記入と提出を求められます。
この書類には記入欄がたくさんあっていかにも書くのが難しそうです。
また、年に一度の手続きであることや、ときどき書類の様式が変わることもあり、記入方法がなかなか覚えられません。

ただ、この手続きは自分が1年間に払うべき税金の額を確定させるとても重要なものです。
記入漏れなどがあると、払わなくていい税金を払うことにもなりかねません。正確に記入できるようにしておきたいものです。

記入する項目は以下の4つに分かれています。

  • 1.生命保険料控除
  • 2.地震保険料控除
  • 3.社会保険料控除
  • 4.小規模企業共済等掛金控除

それぞれの記入方法を解説しましょう。

1.生命保険料控除欄の書き方

生命保険料は新旧や保険の種類によって、控除額の算出方法が異なります。以下の順序に沿って進めていけば、簡単に生命保険料控除の欄を記入することができます。

STEP1

まずは保険会社から送られてきた「生命保険料控除証明書」次の2点を確認します。

  • 加入している保険が「一般の生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」のうち、どれに該当するのかを確認。
  • 加入しているのは新・旧どちらの保険かを確認。(介護医療保険料には新・旧の区別なし)

STEP2

次に保険会社が提供しているサポートツールにアクセスします。

ご自身が加入している保険会社とは別の保険会社だとしても計算方法は同様なので、どれを使っても計算できます。

STEP3

各保険会社のサイト先にて、保険契約ごとに、「新・旧」「一般・介護医療・個人年金」の区分にしたがい、保険料を入力していきます。

保険料をすべて入力し終えたら、「計算する」をクリックし、算出された金額を生命保険料控除欄に転記しましょう。

STEP4

合計額や控除額以外の部分の書き方は控除証明書に沿って、契約に関する情報を記入します。

2.「地震保険料控除」の書き方

地震保険料控除とは、1年間に支払った保険料のうちの一定額が所得控除になる優遇税制です。
火災保険に地震保険特約をつけて加入し、保険料を払っている人が記入します。
ただし、地震保険料控除の対象となる保険料は、自分や生計を一にする配偶者その他の親族が所有し、常時住宅として使用している建物および家財に対するものです。
そのため、他人に賃貸している住宅や別荘などの地震保険料は対象になりません。

なお、平成18年(2006年)12月31日以前の長期損害保険契約等の保険料(旧長期損害保険料)を払っている場合も、地震保険料控除の対象とすることができます。
また、ひとつの契約で地震保険と長期損害保険のいずれにもあてはまる場合は、いずれか一方のみを選んで控除額を計算します。

まず、損害保険会社から郵送される「地震保険料控除証明書」を手元に準備しましょう。
保険期間1年の契約の保険の場合、契約時に届く保険証券に同封されている場合があります。「控除証明書」が届いていない場合や紛失した場合は、保険会社に連絡して確認や再発行の手配をしてください。こちらも電子的控除証明書で発行されている場合もあります。

  • ① 保険会社名を控除証明書から転記します。(保険会社名は略称でも可)
  • ② 保険の種類を控除証明書から転記します。  例)地震、積立傷害
    なお、同一の控除証明書に地震保険料と旧長期損害保険料の記載がある場合は、いずれか一方のみ選択して記入します。
    一般的に、控除額が大きくなる地震保険料の金額を記入するほうが有利になります。
  • ③ 保険期間を控除証明書から転記します。  例)1年、5年、10年
  • ④ 契約者の名前を控除証明書から転記します。
    自分以外の家族が契約者でも、自分が保険料を支払っている契約があれば、ここに記載できます。(その場合は、自分の名前ではなく該当契約の契約者の名前を記入)
  • ⑤ 保険の対象になっている家屋に住んでいたり、家財を利用していたりする人の名前を記入します。
    控除証明書に記載はありませんが、現状を記入します。
  • ⑥ ⑤との続柄を記入します。
  • ⑦ 控除証明書の記載に沿って、地震保険料と旧長期損害保険料のいずれかに〇をします。
  • ⑧ 控除証明書の金額を記入します。
    年始から控除証明書発行時点までに支払った保険料合計額の「証明額」ではなく、年末までの支払い予定額である「申告額」を記入します。
  • ⑨ ⑧のうち、地震保険料の合計額を記入します。
  • ⑩ ⑧のうち、旧長期損害保険料の合計額を記入します。
  • ⑪ ⑨を記入します。(50,000円を超える場合は、50,000円と記入)
  • ⑫ ⑩を記入します。(10,000円を超える場合は、⑩×1/2+5,000円の金額(15,000円を超える場合は、15,000円)を記入)
  • ⑬ ⑪と⑫の合計を記入します。(両者の合計の限度額は50,000円なので、50,000円を超える場合は、50,000円と記入)

なお、「地震保険料控除証明書」は、申告書に添付して勤務先に提出する必要があります。
ただし、勤務先の団体保険などで勤務先が金額等を把握している保険の証明書添付は必要ありません。

社会保険料控除欄の書き方

社会保険料控除は勤務先から天引きされた保険料以外で自分が支払った保険料について記入します。

次のようなケースの場合に記入が必要となります。

  • 勤務先が社会保険に未加入で国民年金保険料・国民健康保険料を自分で支払っている場合
  • 年の途中で就職し、それまでは国民年金保険料・国民健康保険料を支払っていた場合
  • 配偶者、親、子の代わりに国民年金保険料・国民健康保険料を支払っている場合

添付書類については、少しルールが異なるので注意しましょう。

•国民年金:「国民年金控除証明書」の提出が必須
•国民年金基金:「社会保険料控除証明書」の提出が必須
•国民健康保険:提出義務なし(控除証明書がそもそも発行されない)

国民健康保険料は、勤務先が「金額がわかるもの(例:市町村の支払額の通知書)」を提出するよう指示している場合もあるので確認しましょう。

4.「小規模企業共済等掛金控除」の書き方

小規模企業共済等掛金控除は、勤務先からの給与や賞与から差し引かれているもの以外で、独立行政法人中小企業基盤整備機構の共済契約の掛金、確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金・個人型年金加入者掛金、心身障害者扶養共済制度に関する契約の掛金を払っている人が記入します。

1月から12月までの1年間に自分が支払う掛金の全額が所得控除になります。

いずれも各機関から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が郵送されてきますので、記入する前に準備をしてください。

まとめ

「保険料控除申告書」について、以下に最終チェック項目を用意しましたので、記入漏れがないか確認し、勤務先へ提出しましょう。

【提出前の最終チェック】

□ 氏名、フリガナ、住所、押印が完了している
□ 契約・加入している保険料の金額を記入している
□ 保険会社等から届いた控除証明書(原本)を添付している

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